トシをとれば雇用環境は厳しくなりますが、人は生きなくてなりません。
現在、日本人の平均寿命は45才のようですが、45才で転職は相当厳しいというのも不思議な話です。まだ人生半ばなのに、就職先がないというのは・・・・。
これからも高齢化を続ける日本はいったいどうなるんでしょうね?
犯罪を繰り返す高齢者が増えている。何が、一度は罪を償ったはずの高齢者を再び犯罪にかり立てるのか、あるいは追い立てるのか。「塀の外」の環境に問題はないのだろうか−。再犯者が多く収容されている青森刑務所で、高齢受刑者に話を聞いた。
刑務所暮らしの辛さは、6回入って身にしみていたはずだった。昨年6月に出所した後のお盆前。実家の墓参りをしてまもなく、突然の雨で体に痛みが走った。「このままだったら外で倒れてしまう」。挫折感とともにいつもの考えが頭をもたげた。「小さなことでも悪いことをすれば戻れるんじゃないか」。青森県内の店で食べ物を万引。累犯だから刑務所行きは“保証”される。この男性受刑者、Tさん(72)が万引で刑務所に入ったのはこれで3回目だった。
「寒いときに熱いラーメンも食べられない。刑務所は大変辛いところ」。Tさんの刑務所暮らしの実感だ。
だが、外の風も冷たい。お盆前に寄ろうとした県内のハローワークも、若者であふれかえっているのをみて、Tさんは通り過ぎるしかなかった。得意な印刷の仕事をもらっても、「刑務所を出た意識が離れない」ため、自分から新たな仕事を要求することに踏み切れない。
6月に出所して青森県に来たときは知人のくれた仕事で手元に残った30万円は宿泊代に費やした。役所にいけば生活保護を受けられるが、「兄弟にこれ以上の迷惑がかかるかもしれない」と素通り。だが「苦しくなると刑務所に頼ってしまう」。辛いとはいっても「社会にいると錯覚するぐらい仕事もできるから…」。
「刑務所がなくなったらどうするんだ!」。今回、入所時の面接で担当者に怒鳴られた言葉がTさんの頭を離れない。
青森市出身の男性受刑者、Sさん(76)は入所9回目。がんで寝たきりだった妻は入所中に死亡した。空き巣を繰り返す“元凶”となったパチンコは前回の入所を機に断ったが、立ちはだかったのは医療費。ひざや目などを患い、前回の出所後は毎月、年金7万円のうち3万円弱が治療代に消えた。結局、空き巣に入ってラジオと時計を盗んだ。「目当ては現金だったが、うちにラジオあったらいいなと思って…」。盗癖は断てなかった。
2人はいずれも模範囚だ。精励ぶりが認められ、いずれも前回の刑では仮釈放されて社会に出ている。だが、青森刑務所主席矯正処遇官の柳沼秀昭さんは「刑務所のルールに慣れても、社会では適応できない例が少なくない」と嘆く。
2人のように、高齢で家族と疎遠、生活基盤のない受刑者が、出所後に犯罪に走る例は枚挙にいとまがないという。「入所期間が長ければ受給できる年金の額も下がる。結局、住む場所と仕事がないと無銭飲食などに走る」。
2人が仕事に励む青森刑務所のある作業場には50人ほどが働いているが、そのほとんどは白髪頭だ。「認知症に近く、何もできない人もいる。それでも満期になれば出さざるを得ない」。柳沼さんは複雑な心境を明かす。
「前科自体が就職を難しくしているのは否定できない」と青森保護観察所統括保護観察官の池端勉さんはいう。「でも国は障害者と違い、体験雇用以外は出所者の協力雇用主への奨励金は出さない」とも指摘する。「前科がなくたって不景気で雇えないのに」。そんなせりふも何度か聞いたといい、 149社に増えた青森県協力雇用主会連盟だが、実際に雇用しているのは4社で15人。出所者も雇用先が少ないのは織り込み済みのようで、「前科は隠したい」「建設業はいやだ」などとして、応募するのは2割程度という。
政府は来年度から、刑務所出所者らと福祉施設をつなぐ組織の設立を進める方針だ。ただ、出所者の人権を訴える団体はあっても、福祉を提供する団体はなかなかない。
池端さんは「前科のない人だって施設への入所を順番待ちしている。出所者がその最後尾になるのはある意味しようがない。それでも最低限度の保障を模索しないと犯罪は繰り返される」。答えはまだ見えてこない。
■増える高齢の多数回再犯者 法務総合研究所の調べによると、過失犯などを除いて無作為に抽出した受刑者のなかで、65歳以上の高齢者の犯罪が多数回(10回以上)再犯者の犯罪件数に占める割合は平成7年には8%だったが17年には20%を上回った。
19年の出所者の再犯率は、保護観察終了時に無職だった場合、有職者と比べ5倍の37%に跳ね上がっている。また、戦後犯罪件数の6割は犯罪者の3割にすぎない再犯者の手によるものという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081203-00000042-san-l02

